絞首刑を


執行する処刑場が、マスコミに公開される。


 執行するためのボタンは3つあって、どれが「当たり」か刑務官にはわからないようになっているという。


 刑務官の精神的負担は大きい。裁判員制度に続いて、処刑員制度が導入されるかもしれない。死刑はめったに執行されないのだから、一度に選ばれる処刑員は多い。1000人。執行の方法は今までどおり絞首刑だが、コンピューターで管理され、また、ボタンの数も違う。どういうことかというと、処刑の日時はあらかじめ公表されていて、国民から選ばれた処刑員にはパスワードが配られている。執行の時間が来たら、彼らはケータイで「処刑サイト」に一斉にアクセスし、自分のパスワードを打ち込む。1000人の中のだれか1人が「当たり」で、そのパスワードが打ち込まれた瞬間に、死刑囚の足下の床が落ちることになる。


 国民の大部分は死刑制度を支持しているのだから、これで何も問題はないだろう。