
寺山修司の作品(「田園に死す」とか「身毒丸」とか)にしばしば出てくるせりふ「お母さん、もういちど私を妊娠してください。」 これには、元ネタがあって、寺山自身がどこかでタネ明かしをしていた。だが、それがどの本だったか、思い出せない。それで、この1年ばかり、寺山の本を読み返していたのにゃ。
見つけたぞ。「青少年のための自殺学入門」。最後の方に引用されている、永井善三郎の「おっかさん ただもう一度だけ ぼくをにんしんして下さい」 という詩。
「このような思想は私にはない」と寺山は書いているが、実はお気に入りのフレーズで、ひとりの俳優をさまざまな作品に登場させるように、いろんなところで使っているのにゃ。
永井善三郎がどんな人だったのかは、わからない。ネットで検索しても、出てこないのにゃ。ただ、もしかしたら、クリスチャンだったのかもしれない。彼の詩にも元ネタがあって、それは新約聖書の「ヨハネによる福音書3,4」にある、ニコデモという人物によるイエスへの問いかけ。「年をとった者が、どうして生まれることができましょう。もう一度母親の胎内に入って生まれることができるでしょうか。」
よし。人生の目的を達成したぞ。また一歩、死へと近づいたのにゃ。





