もしも


外国の軍隊が日本に攻めてきたら、自衛官は常日頃の訓練通りに行動し、義務を果たさなければならない。「殺したり殺されたりするのはいやだ」、「戦うのは怖い」、などという感情は捨て去る。そして、機械のような正確さで敵を上回る暴力を行使し、制圧する。まさに「暴力装置」だ。これこそが自衛隊の本質であり、存在意義だ。どんなに美辞麗句を並べたところで、このことは否定できるものではない。


 ところで、アメリカ軍では兵士に代わるロボット兵器の導入が進んでいる。いずれ自衛隊も追随するだろう。ロボットばかりで生身の自衛官が一人もいなくなれば、名実ともに自衛隊暴力装置、ということになり、わざわざそのことを指摘する人もいなくなるだろう。