バンクーバー五輪が閉幕


 一番アホらしかったのは、スノボの国母選手の服装問題で、いわゆる知識人連中が騒ぎ立てたことだった。


 ドレスコードがどうの(彼は服装の乱れのせいで入国を拒否されたわけではない)。サムライがこうの(そもそもサムライはあんな曲芸みたいなマネをしない)。競技後にボードを観客席の方に投げただの(実際に観客席に投げ込んだわけではない)。


 この件がスポーツ紙の一面に出たのはなぜか。朝青龍がいなくなった後の新しい憎まれ役を、マスコミが求めていたからではないか。社会全体が同じ対象を一斉に非難する。そうすることによって、失われた連帯を社会は取り戻す。そのようなニーズがある、とマスコミは考えたのではないだろうか。


 スノボがマイナー競技であることも大きい。マスコミと、選手、競技団体との力関係。それが今回の一面トップにつながっている。イチローやかつての中田英寿なら、服装の乱れでここまで叩かれることはなかっただろう。


 このようなネガティブな形で社会の結束を強めようとする試みは、使い古されていて、あまり効果はないだろう。もっと違った方法がある。


 今回の五輪で一番印象に残ったのは、アイスホッケー女子のカナダ・アメリカ戦だった。女どうしの熾烈な肉弾戦。アレを、全裸で観たい。「全裸で・・・」というシリーズに、ぜひアイスホッケーを加えてもらいたい。それができれば、まさに「ソフト・オン・デマンド」だ。


 老若男女すべてに共通するテーマであるエロこそが、連帯を取り戻すカギだ。