日テレで


ルパン三世 the Last Job」を見る。


 平野綾は、どうしてこんなにも地味なのだろうか。「風魔の末裔という重い宿命を背負って云々」、という設定を考えての演技なのだろうが・・・・・。
 考え過ぎにもほどがある。それならルパンはどうなのか。彼も大泥棒の三代目として生まれたわけだが、あんなにハジけているではないか。もう少し、視聴者を楽しませる余裕があってもよかったのではないか。


 挽回のチャンスはあった。ラスト近くの、電気ショックで責められるシーン。あそこで、それまでの抑制が効き過ぎた演技をひっくり返すようなアエギ声を出していれば・・・・・。そうするのがあの場合セオリーであり、王道であったはずだ。時代劇で悪代官が女性を手篭めにする時に、帯をクルクルさせるのと同じだ。だが、最後まで地味な、華のないヒロインのまま終わってしまった。一緒に責められた朴ろ美までがエロ演技を封印したのも、不可解ではあるが。


 「あのアニメは作品的には今イチだが、平野綾の演技で救われている」、と評価されるような突破力が、スターには必要だ。作品次第というか、作品の中に埋没してしまう声優ならいくらでもいる。平野綾に課せられた義務は、重いのだ。