週刊ゴングの出版社が

破産。


 週刊じゃなく月刊だった頃、「ゴング」は確かにワシの青春の1ページだった。ダイナマイト・キッドが新日から全日に移ったあたりで、ワシのプロレス熱は冷めてしまったが。


 最近プロレス人気が低迷しているのはなぜか。総合格闘技よりも弱いせいか。だが、プロレスにはプロレスのよさがある。プロレスは、フィギュアスケートやシンクロナイズドスイミングと同様、技の華麗さを見て楽しむべきスポーツだ。真剣勝負として見ようとするのは間違っている・・・ということに気がついたのは、プロレスから遠ざかってしばらくたってからだった。


 最近の試合内容にも問題がある。ほとんど大技の連発ばかりで、つなぎ技というものがない。昔は子供がプロレスごっこで死亡するという事故がたまに起こったが、これはつまり、大技は子供にもマネができる、ということだ。つなぎ技はそうはいかない。最もプロらしいのは地味な技なのだが、最近は大技ばかりで変化のない、単調な試合が多い。たとえば、ストリッパーが最初から全裸で舞台に登場しても、観客はだれも喜ばないだろう。それと同じで、途中の展開のおもしろさというものをないがしろにしてはいけないのだ。


 こんな風にプロレスについて語るのも、これが最後かもしれない。さらば、わが青春よ。