地下鉄サリン事件から

もう12年か。


 私も日比谷線には何度か乗ったことがある。だが、犯行時刻の朝8時は、当時も今も部屋で寝ている時間だ。オウムが転覆しようとした体制からは、そもそもこぼれ落ちた存在、というわけだ。


 それはともかく。連中はサリンの他に、ソマン、タブン、VXガス、といった化学兵器を開発していた。中でも私の記憶に残っているのはソマン。テレビ・ニュースの女子アナが「ソマン」と言うたびに、私はドキドキしたものだった。「ソマン」の「ソ」にアクセントを置かないと、放送事故に直結してしまうからだ。もしも、どこにもアクセントを置かない平板な発音をしたら、「粗マ×」になってしまう。まあそれはそれで、ある意味殺人兵器かもしれないが。


 そういえば、日本史の授業で「ソ満国境」を習った時も、同じようなドキドキ感を味わったものだった。歴史は、繰り返されるものなのか。