「パプリカ」

を観る。


 サービス・デイのせいか、午前10時の回なのに、9割近い入り。他人の夢の中に入って精神治療を施すためのDCミニというツールを通して、夢がどんどん現実を侵食していき、だれにもそれが止められない、という話。


 ストーリーよりも、キャラと映像美が命の作品。上映時間は約90分だが、もう少しエピソードを削って、80分くらいにした方がもっと心地よかったかも。夢の中で活躍するヒロイン、パプリカは、決して「変身少女」でも「萌えキャラ」でもない。そっち方面を期待すると、がっかりするだろう。心の病を持つ人を救うために、プロフェッショナルの女性が必要に応じて姿を変えるだけで、どこまでも大人だ。


 話に聞いていたとおり、過去の名画からの引用が、いくつか出てくる。あれは、「ロシアより愛をこめて」の中のショーン・コネリーとロバート・ショーの格闘シーンかな。それと、林原めぐみ様がヒロインだからか、「エヴァンゲリオン」からも「レイのあのシーン」とか「アスカのあのセリフ」とかがサンプリングされていて、観る人が観れば爆笑ものかも。
 

 振り返って考えると、暴走が始まる前から夢と現実の境界線はあいまいだった。「パプリカの名刺」は、一体だれが置いていったのだろうか?